ほとんど年中、スーパーマーケットの野菜コーナーに並んでいるごぼうは、私たちの生活において親しみやすい野菜のひとつです。
ごぼうを切断した際に、時々見かける黒い輪や内部の空洞、それに伴う軽やかな感触は何を意味しているのでしょうか?
ここで、その疑問に対する解説をします。
ごぼうにできる黒い輪っかの正体
ごぼうに現れる「す」という空洞現象は、ごぼうの成長過程で内部が割れて水分が抜け、空洞ができることを指します。
「す」が発生する原因としては、ごぼうの成長が内部の成長に追いつかずに起こります。
黒い輪や線もこの「す」の表れの一つです。
購入時には、均一な太さのごぼうを選ぶことで「す」の発生を避けることができます。
ごぼうのカット面が黒く変色する理由
ごぼうのカット面が黒く変色する現象の一つに、ポリフェノールの酸化が挙げられます。
これは、冷凍保存したごぼうを解凍した際や、水につけたりしているときに見られることがあります。
黒い斑点は?
さらに、ごぼうの表面に現れる黒い斑点は、病気やカビによるものがあります。
ごぼうは他の野菜に比べて病害に強いものの、連作によるやけ症などの問題が生じることがあります。
これには、根腐病や黒あざ病などが含まれ、根の表面に暗褐色から黒色の斑点が見られることがあります。
また、表面の黒変はカビの可能性も指摘されていますが、表面だけであれば除去して食べることができますが、内部にもカビが広がっている可能性があるため注意が必要です。
ごぼうの皮が黒い理由
ごぼうの皮が黒いのは、土に覆われて成長するためです。
多くは泥がついたまま販売されており、これは単純に泥がついているだけなので、洗い流せば食べることができます。
しかし、ごぼうが全体的に黒く変色している場合は、腐敗が始まっている可能性があり、この場合は食べることは避けた方が良いでしょう。
ごぼうに黒い品種はない
ごぼうには様々な品種がありますが、黒い品種は存在しません。
土の違いで黒く見えることはありますが、洗えばどの品種も白い内部を持っています。
「す」やポリフェノールの酸化による変色は、実際には食べても問題ないことが多いですが、風味や味の低下があるため、購入時はこれらの現象がないものを選ぶことが推奨されます。
ポリフェノールの酸化は見た目に影響を与えますが、味には大きな変化はありません。
適切なごぼうの選び方
ごぼうを買う際、できるだけ新鮮なものを選ぶことが重要です。
ここでは、良質なごぼうの見極め方を紹介します。
外見による判断
しなびた先端やひび割れがあるごぼうは、鮮度が低下している証拠です。
また、「す」の影響を受けやすい太いごぼうよりも、太すぎず細すぎないものを選びましょう。
新鮮なごぼうは直線的で、余計なひげ根が少ないことも特徴の一つです。
臭いによる判断
腐敗が進んだごぼうからは、生臭さやカビ臭、酸っぱい臭いなどがします。
このような異臭がある場合は、腐敗がかなり進んでいる可能性が高いです。
不快な臭いがする場合でも、外見上の問題が見当たらない時は慎重に判断してください。
触感による選び方
鮮度が落ちているごぼうは、手で簡単に曲がってしまうほど柔らかくなっています。
硬く、しっかりとした質感のものを選ぶことが大切です。
持った時に重みが感じられるかもチェックしましょう。
軽く感じるごぼうは「す」が入っている可能性があります。
ごぼうの保存法
市場には「泥付きごぼう」と「洗いごぼう」があります。
手間を省くために「洗いごぼう」を選びがちですが、「泥付きごぼう」の方が新鮮さを長く保つことができます。
泥はごぼうの水分蒸発を防ぐ役割があります。
すぐに使わない場合は、「泥付きごぼう」を選んでください。
保存方法も合わせて紹介します。
常温保存の場合
泥をつけたままのごぼうは、新聞紙に包んで根元を下にして立てて保存すると良いでしょう。
冷暗所であれば、約2~3週間の保存が可能です。
冷蔵保存の場合
カット後のごぼうは、水洗いして水気をしっかり切り、空気を抜いた密封袋に入れて冷蔵庫で保存します。
この方法ならば、4~6日は保存できます。
空気に触れると変色しやすいので、空気をしっかりと抜くことが重要です。
冷凍保存でさらに長持ち
カットしたごぼうをあらかじめ茹でたり炒めたりしてから冷凍保存する方法もあります。
これにより、約1ヶ月程度の保存が可能になります。
また、事前に下ごしらえをしておくことで、料理の時短にもつながります。
きんぴらなどの作り置きのおかずとしても、冷凍保存すれば約2週間は持ち、お弁当の一品としても活用できます。
ごぼうの黒い輪っかは腐ったわけではない まとめ
この記事では、ごぼうに見られる黒い輪の正体や、それが食べられるかどうか、そしてごぼうを新鮮な状態で保つ方法について説明しました。
年間を通してどのスーパーにも置かれ、予め調理しておくことで便利に使えるごぼうですが、黒い輪や色が変わったごぼうを「腐敗している」と誤解していた方もいるかもしれません。
しかし、今後はこれらの情報を踏まえ、安心してごぼうをお楽しみいただけることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!