市場に出回っているさやえんどう、グリンピース、スナップエンドウは、分類上「マメ科エンドウ属」に属し、えんどうの成長度や品種に応じて異なる名前で呼ばれています。
この記事では、それぞれの特徴や栄養素について解説します。
さやえんどう、グリンピース、スナップエンドウの特徴と歴史
さやえんどう
さやえんどうは、若採りしたえんどうです。
特徴
- えんどうを早い段階で収穫し、さやごと食べるもの。特に小さいものは「絹さや」とも呼ばれます。
歴史
- 江戸時代にヨーロッパから伝えられ、本格的に普及したのは明治時代からです。
グリンピース
グリンピースは、えんどうの豆を完熟する前に収穫したものです。
特徴
- さやの中である程度成長した豆を、完熟する前の柔らかい状態で収穫したものです。
歴史
- 日本では明治時代に普及しました。
スナップエンドウ
スナップエンドウは、グリンピースをさやごと食べられるように改良したものです。
特徴
- グリンピースを品種改良し、さやごと食べられるようにしたもので、肉厚で甘みがあります。
歴史
- 日本には1970年代にアメリカから導入されました。
えんどうの起源と品種改良
えんどうの原産地は中央アジアから中近東とされ、古代エジプトの遺跡からも出土しています。
日本には8世紀以降、中国を経由して伝わったと考えられています。
さやえんどうとグリンピースの関係
さやえんどうとグリンピースは、見た目や食べ方に違いがありますが、元は同じ種です。
さやえんどうとして若採りしたものがグリンピースになります。
現在は専用の種が使われていますが、家庭菜園で試してみるのも面白いでしょう。
エンドウ類の旬と栄養価
さやえんどうは人気ですが、グリンピースは苦手な人もいます。
多くの場合、缶詰や冷凍食品が苦手な原因です。
旬の新鮮なグリンピースは甘味があり、缶詰や冷凍食品とは異なります。
スナップエンドウ
スナップエンドウはアメリカから導入され、1970年代から市場に出回りました。
さやに甘みがあり、パリッとした食感が特徴です。
「サトウザヤ」は糖度が高く、サヤエンドウよりも実がふっくらしていますが、スナップエンドウより皮が薄いです。
実は同じ種!
さやいんげん、スナップエンドウ、グリーンピースは、それぞれ異なる食べ方があるものの、共通して緑色のさやに豆が入っているという特徴を持っています。
実はこれらは、すべて同じマメ科エンドウ属の品種なのです。
これら3種類の違いは、収穫時期にあります。
専用の種から育てられている現在とは異なり、かつては同じ種を使って時期をずらして収穫していました。
柔らかいさやを食べるのが特徴(さやいんげん)です。
さやの中の実が大きくなり、さやと実の両方を食べるのがスナップエンドウです。
さらに成熟するとグリーンピースとなり、別名「実えんどう」として実だけを食べます。
豆苗とエンドウマメも同じマメ科エンドウ属の仲間です。
中華料理でよく使われる豆苗は、種から生えたばかりの新芽を食べます。
豆大福やうぐいすあんに使われるエンドウマメは、完熟したグリーンピースです。
それぞれ形が違うのに、同じ豆だというのは興味深いですね!
栄養価の比較
さやえんどう、スナップエンドウ、グリーンピースの栄養価を比べてみましょう。
エネルギー(kcal)
- さやえんどう: 38
- スナップエンドウ: 47
- グリーンピース: 76
たんぱく質(g)
- さやえんどう: 3.1
- スナップエンドウ: 2.9
- グリーンピース: 6.9
脂質(g)
- さやえんどう: 0.2
- スナップエンドウ: 0.1
- グリーンピース: 0.4
糖質(g)
- さやえんどう: 4.5
- スナップエンドウ: 7.4
- グリーンピース: 7.6
食物繊維(g)
- さやえんどう: 3.0
- スナップエンドウ: 2.5
- グリーンピース: 7.7
β-カロテン(μg)
- さやえんどう: 560
- スナップエンドウ: 400
- グリーンピース: 410
ビタミンB1(mg)
- さやえんどう: 0.15
- スナップエンドウ: 0.13
- グリーンピース: 0.39
ビタミンC(mg)
- さやえんどう: 60
- スナップエンドウ: 43
- グリーンピース: 19
100gあたりの栄養価を比較すると、さやえんどうはβ-カロテンやビタミンCが豊富で、抗酸化作用を持ち、生活習慣病や老化の予防に役立ちます。
グリーンピースは食物繊維とビタミンB1が多く、整腸作用や血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
また、ビタミンB1は糖質のエネルギー変換をサポートします。
糖質が多めの食事と一緒に摂ることで、血糖値の上昇を抑えつつ糖質を効率的に代謝できます。
ただし、グリーンピース自体にも糖質が多いため、食べ過ぎには注意が必要です。
スナップエンドウはさやと実の両方を食べるため、さやえんどうとグリーンピースの中間の栄養価を持ちます。
旬の時期にしっかり摂取しましょう。
さいんげんとグリーンピースは同じもの まとめ
春の訪れを感じさせる鮮やかな緑色のさやえんどう、スナップエンドウ、グリーンピース。この季節には特に風味が豊かで栄養価も高まります。
旬の美味しさを存分に楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!