植物の「わき芽」とは、葉の付け根から出てくる新しい芽のことを指します。
わき芽を適切に処理することで、果実をつける枝に栄養を集中させ、美味しいピーマンを繰り返し収穫することが可能になります。
ピーマンのわき芽を放置するとどうなるのか?
ピーマンのわき芽をそのままにしておくと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 株の栄養がわき芽に取られてしまい、果実の成長に必要な栄養が不足してしまうため、収穫量が減ったり、果実が小さくなることがあります。
- わき芽が成長しすぎると、株全体が茂りすぎてバランスが悪くなり、通気性や光の取り込みが悪化し、病気や害虫が発生しやすくなります。
- わき芽が密集すると、後の管理作業が難しくなり、剪定や追肥の手間が増えるだけでなく、収穫も困難になります。
栽培効率を高め、十分な収量を確保するためには、わき芽処理が欠かせません。
ピーマンのわき芽処理の準備
わき芽を処理するタイミングや方法について解説します。
一般的に、この作業は「わき芽かき」と呼ばれ、他にも「芽かき」や「わき芽摘み」といった呼び名がありますが、すべて同じ作業を指します。
わき芽かきを始める時期
ピーマンのわき芽かきは、一番最初に咲く花(一番花)が開花した後に行うのが一般的です。
通常、一番花は5月から6月にかけて咲きますが、栽培地域によって異なることがあります。
わき芽かきは、根がしっかりと土に定着した後に行うのが理想的です。
定植から数日~1週間後には一番花が咲くことが多いため、その時期に合わせて支柱立てと一緒に行うと効率的です。
わき芽かきに必要な道具
ピーマンのわき芽を取るために特別な道具は必要ありません。
短いわき芽は柔らかいので、手で簡単に取ることができます。
ただし、手が汚れないように手袋を用意したり、摘んだわき芽を入れるバケツがあると便利です。
ピーマンのわき芽処理の手順
次に、ピーマンのわき芽を取る手順を3段階に分けて説明します。
1. 一番花の下のわき芽は伸ばす
一番花が咲いたら、その下にあるわき芽を確認してください。
このわき芽は伸ばして育て、主枝(株の中で一番太い幹)とします。
主枝を2本残し、それぞれに支柱を立てて固定し、成長する方向を誘導します。
2. 主枝の下のわき芽はすべて摘み取る
主枝より下に出ているわき芽はすべて摘み取りましょう。
親指と人差し指でつまんでねじるようにすると簡単に取れます。
3. 定期的にわき芽を取り除く
その後も定期的にチェックし、わき芽が伸びすぎないように管理します。
5〜10センチメートル程度に成長したものを見つけたら、すぐに摘み取るようにしましょう。
わき芽を取る際のポイントと注意点
最後に、わき芽かきを行う際の注意点をまとめます。
晴れた日の午前中がベスト
わき芽かきは、晴れた日の午前中に行うのが最適です。
雨の日や湿気の高い日は、傷口が乾きにくく、病原菌が入りやすくなるため避けましょう。
道具は消毒してから使う
剪定バサミなどの道具を使う場合、病原菌の媒介を防ぐために、こまめに消毒を行いましょう。
自動で消毒できるハサミもありますので、活用すると良いです。
ピーマンのわき芽かきは、適切に行うことで、より健康な株に育ち、豊かな収穫を得ることができます。
ピーマンの剪定方法
ピーマンを育てる際には、わき芽を取り除き、主となる枝と側枝を整えつつ、支柱を立てて管理するのが基本です。
わき芽を放置すると、側枝が多くなりすぎて栄養が分散し、葉や茎ばかりが成長して、果実がうまく実らなかったり、小さくなってしまうことがあります。
ピーマンの主枝から伸びる葉や茎の付け根から生えてくるのがわき芽です。
わき芽の取り方のおさらい
まず、一番花の下にあるわき芽を1つか2つ残し、それ以外のわき芽はすべて摘み取ります。
その後、一番花が咲いた茎を主枝とし、残したわき芽を側枝として整えます。
摘花・摘果
苗がまだ若い時期に花や果実がついてしまうと、株が疲弊し、生育が遅れてしまうことがあります。
そこで、摘花(花を摘むこと)や摘果(まだ小さい果実を摘み取ること)を行いましょう。
特に苗が小さいうちに咲いた一番花や実は摘み取るのが理想的です。
ただし、苗が十分に成長し、幼果から新芽が20cmほど伸びていれば、摘花・摘果は不要です。
更新剪定
8月頃になると、ピーマンの茎葉が大きく成長し、風雨によって折れやすくなることがあります。
また、下向きに伸びた枝は病気の原因にもなるため、軽く更新剪定を行いましょう。
また、下部にある支柱から外れている枝も、生長すると折れる可能性が高いため、分岐点の適当な場所でカットしてください。
ピーマンのわき芽は取るのがポイント! まとめ
ピーマンの剪定は、わき芽取り、摘花・摘果、更新剪定の3つが基本です。
一番花が咲くタイミングを見逃さないようにし、必ずわき芽を取りましょう。
また、更新剪定を行う際は、ナスのように強く切り戻ししないように注意し、株が弱らないよう適度に剪定するのがポイントです。
最後までお読みいただきありがとうございました!