ピーマンは、そのさわやかな苦味が特徴的な野菜で、ハウス栽培により一年中入手しやすいです。
また、ピーマンには様々な栄養素が含まれており、それぞれが私たちの健康に様々な良い効果をもたらします。
ピーマンは熟す前に収穫されるため、鮮やかな緑色をしています。
今回は、この緑色のピーマンに含まれる栄養素とその効能について詳しく見ていきましょう。
ピーマンの5大栄養素とは?
ピーマンの5大栄養素には、以下のようなものがあり、特筆すべき量が含まれていることが多いです。
それぞれの栄養素の含有量など、以下に見ていきましょう。
①ビタミンC
ビタミンCの含有量は特筆すべきで、100gあたり約76mg含まれています。
これは、レモン果汁の1.5倍に相当します。
ビタミンCは老化防止や疾病予防に役立つ抗酸化作用を持ちます。
また、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱による影響を受けにくい特性を持っています。
②β-カロテン
β-カロテンもピーマンに多く含まれており、アスパラガスと比較して約1.1倍の量があります。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、抵抗力の向上や皮膚粘膜の健康維持に役立ちます。
③カリウム
カリウムはきゅうりとほぼ同等の量が含まれており、体内のpHバランスを保つ役割を果たします。
また、血圧を下げる効能もあります。
④食物繊維
食物繊維の含有量はセロリの約1.5倍であり、腸の健康維持や血糖値の上昇抑制に寄与します。
⑤ビタミンE
ビタミンE(α-トコフェロール)の含有量はなすの約2.6倍であり、抗酸化作用を持ち、動脈硬化や悪玉コレステロールの減少に効果が期待できます。
その他の栄養素
これらの栄養素の他にも、ピーマンにはピラジンやクエルシトリン、ヘスペリジン、クロロフィルなどの有用成分が含まれており、精神安定や血液のサラサラ効果、高血圧の予防、ビタミンCの吸収促進などの効果が期待できます。
ピーマンの色による違い
青ピーマンと赤ピーマン、さらにはパプリカの間にある栄養の違いは、その色によって異なります。
これらの野菜は、栄養面でどのように異なるのでしょうか。
赤ピーマンとは
青ピーマンは未熟な状態で収穫されるのに対し、赤ピーマンは完熟した青ピーマンです。
赤ピーマンの赤色は、リコペン(リコピンとも呼ぶ)という色素によるもので、この成分には強力な抗酸化作用があります。
リコペンは善玉コレステロールの増加や血圧の抑制に役立つ成分です。
これは脂溶性であるため、油を使った調理で吸収が高まります。
パプリカはピーマンとは別の野菜
一方でパプリカは、ピーマンと同じトウガラシ属に属するものの、別の品種に分類されます。
パプリカは一般的なピーマンよりも大きく、肉厚で、ビタミンCの含有量がピーマンの2倍以上あります。
熟すと赤色の他に、黄色、オレンジ色、紫色、白色、黒色など多彩な色になります。
ピーマンと比べて青臭さや苦みが少なく甘みがあるため、生食にも適しています。
ピーマンのおすすめの調理法
ピーマンの調理方法や食べ方には、その特性を活かすか、抑えるかによって様々なアプローチがあります。
ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれていますが、一般的にビタミンCは加熱によって減少しやすいとされています。
しかし、ピーマンの組織がしっかりしているため、加熱してもビタミンCが減りにくいのが特徴です。
これにより、焼いたり炒めたりといった加熱調理を行っても栄養を損ないにくく、日々の献立に気軽に取り入れることができます。
苦みは切り方で調整
ピーマンの食感と苦みに関しては、切り方で調整することができます。
繊維に沿って縦切りにすると、細胞が壊れにくくなり苦みが抑えられます。
また、シャキシャキとした食感を楽しめるため、炒め物などに適しています。
一方、繊維に垂直な横切りは、苦みが出やすくなりますが、熱が通りやすいので、加熱調理に向いています。
ピーマンは種も食べた方がいい?
ピーマンの種は、栄養豊富でありながらも、調理の際によく取り除かれます。
種は加熱することで食感が柔らかくなり、食べやすくなるので、種ごと調理するのも一つの方法です。
苦みを抑えたい場合は、包丁を入れずにまるごと調理することをおすすめします。
例えば、肉詰めや煮浸しにすることで、種も含めたピーマンの全てを楽しむことができます。
ピーマンは5大栄養素がたっぷり! まとめ
ピーマンは、ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素が豊富に含まれている野菜です。
その特有の苦味は、さまざまな調理方法によって強調したり和らげたりすることが可能です。
一年を通して入手しやすいため、日常の食事に積極的に取り入れて、その豊富な栄養を効率よく摂取することがおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました!