メロンは、北アフリカや中東地域が原産で、紀元前2000年頃に栽培が始まりました。
Cucumis melo L.の西方に伝わった品種群を「メロン」、東方に伝わった品種群を「瓜(ウリ)」と呼び、日本のマクワウリもその一種に含まれます。
メロンは何科の野菜なの?
メロンは、スイカと同じくウリ科の植物であり、水分を多く含むため、体内のナトリウムを排泄させる働きを持つカリウムが豊富です。
日本では、考古遺跡から中世の炭化種子が見つかっており、古くから渡来し、雑草化したものは「雑草メロン」として、西日本の島嶼部などで自生しています。
キュウリも同属の有用植物の一つです。
園芸分野では果菜に分類
メロンは園芸分野では果菜(実を食用とする野菜)に分類されますが、青果市場や栄養学的には果物または果実と見なされます。
果実は多くの場合、球形ですが、ラグビーボール形やこん棒形、さらには細長い形状など多様な形状を持ち、表面にはイボや深い溝が生じることが多いです。
ネットメロンと呼ばれる表面に網目ができる品種と、ノーネットメロンと呼ばれるものがあります。
冷涼な地域で栽培されることが多いメロンですが、これは日本で高級品として流通している品種がヨーロッパで作出されたため、夏の高温多湿には適さないからです。
メロンは種類が多い
熟すと甘くなる果実が主ですが、酸味が含まれる場合もあります。
また、保存性に優れた乾燥地帯向けの品種もあり、水筒代わりに利用されることもあります。
メロンの主要成分は、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類とカリウムで、赤肉メロンにはカロテンも豊富に含まれています。
メロンの多くは春に畑に植え付けられ、夏に収穫されます。
1年生の草本植物であり、栽培方法は野菜と同様です。
農林水産省ではメロンを野菜と定義していますが、消費者や市場での認識では果物として扱われることが多いです。
野菜とは何か?
農林水産省では、野菜を次の4つの条件で定義しています。
- 1年生の草本植物であること
- 田んぼや畑で栽培可能であること
- 加工がほとんどされていないこと
- 副食物として用いられること
植物は大きく分けて草と木に分類されますが、草は「草本」、木は「木本」と呼ばれます。
農林水産省では、これら4つの条件を満たす植物を「野菜」として分類しています。
簡単に言うと、野菜とは「畑で育ち、毎年枯れる草本植物」ということになります。
果物とは何か?
一方で、農林水産省が定義する果物には次の2つの条件があります。
- 2年以上栽培される草本植物や木本植物であること
- その果実を食用とすること
これらの条件を満たす植物は「果樹」として扱われます。
農林水産省が果実を果樹として取り扱うのは、年間の生産量を計算するためです。
ただし、「果樹」という言葉が一般に馴染みがない場合には、「果物」や「果実」と呼ばれることが多いです。
簡単に言えば、果物とは「栽培に数年かかる木になる実」のことで、収穫までに時間がかかりますが、一度収穫が始まると長期間にわたって収穫できるのが特徴です。
メロンは野菜だったり果物だったり
メロンの区分は、生産者、販売者、消費者それぞれの立場により異なります。
メロンはこのように、見方によって異なる分類がされる、興味深い食材です。
さらに、メロン以外にも「果実的野菜」とされるスイカやイチゴ、バナナ、パイナップルなどがあります。
逆に「野菜的果実」にはアボカドやゆず、すだちなどがあり、これらも興味深い分類です。
メロンはスイカと同じウリ科の植物 まとめ
まとめると、野菜と果物の明確な定義はなく、農林水産省の定義ではメロンは「野菜」に分類されますが、消費者の視点から見ると「果物」として扱われることが多いです。
このようにメロンは、立場によってその分類が変わる特異な食材なのです。
最後までお読みいただきありがとうございました!