ニンジンは、カロテンを豊富に含む緑黄色野菜で、多くの家庭で日常的に利用されています。
セリ科の1つであり、土壌の健康を考えた農法でも重要な役割を担う野菜です。
一般的によく知られているニンジンですが、それがどの科に属しているか、どのような花を咲かせるのかは、あまり知られていません。
今回は、そんな人参の謎を探っていきます！
人参は何科の野菜？
ニンジンはセリ科の植物で、セリに似た特徴的な葉を持っています。
通常、農地で育てる際は花が咲く前に収穫されるため、その花を見る機会はほとんどありませんが、白い小さな花が集まって咲くことが知られています。
根菜としてのニンジンは、世界中で栽培され、さまざまな料理に使われています。
西洋系のニンジンは黄赤色で、ヨーロッパから伝わったものが主流ですが、中国由来の東洋系ニンジンは深紅色で甘みがあり、それぞれ特徴があります。
さらに、葉を食用にするニンジン菜や葉ニンジンと呼ばれる種類も存在し、多様な利用方法があります。
人参の歴史
薬学的に「ニンジン」と言えばウコギ科のオタネニンジン（高麗ニンジン）を指しますが、野菜としてのニンジンは異なります。
この野菜の名前は、薬用のニンジンの根に形状が似ていることからきています。
ニンジンの原種は、野良ニンジンと呼ばれ、白い花を咲かせるのが特徴で、日本国内でも容易に見つけることができますが、これは食用には適していません。
ニンジンの栽培の歴史は、アフガニスタンの山々がその起源であり、そこから東西に広がっていきました。
日本へは17世紀初頭に伝わり、最初に来たのは東洋系の長い根の品種でしたが、後に西洋系の短い根の品種が伝来し、主流となっています。
人参の栄養価は？
ニンジンの栄養価で最も注目すべきはβ-カロチンで、ビタミンAへと変換されるプロビタミンAとして知られています。
ニンジンに含まれるβ-カロチンは非常に量が多く、大人の1日の必要量をはるかに超えるほどです。
加えて、α-カロチンも含まれており、野菜の中でも特にカロチン類の含有量が多いことが特徴です。
カロチンは油に溶けやすく、熱に強い性質を持つため、油を用いた調理が効果的です。
また、ペクチンという水溶性食物繊維も含んでおり、中性脂肪の排出を助け、高血圧や動脈硬化を予防する作用があります。
ビタミンCを分解する酵素
ただし、ニンジンにはビタミンCを分解するアスコルビナーゼという酵素も含まれており、これにより生のニンジンをすりおろしたものやジュースは、ビタミンCを破壊する可能性があります。
この酵素は加熱するか、酢などの酸を加えることで失活させることができます。
緑黄色野菜で唯一の根菜
ニンジンを用いた料理をする際は、これらの栄養学的特性を考慮に入れると良いでしょう。
ニンジンは、その栄養価の高さから「緑黄色野菜の王様」とも称されます。
葉物野菜が多い緑黄色野菜の中で、ニンジンはその唯一の根菜類代表です。
その豊富なカロチンは、ニンジンの英名「Carrot」にその名を由来しています。
購入時には、カロチンが多いことを示す濃い色のニンジンを選び、なるべく滑らかな表面のものが良質です。
カロチンは皮のすぐ下に多く含まれているため、調理の際は皮を薄く剥くことが推奨されます。
まとめ
ニンジンは大きく西洋系と東洋系の二つのタイプに分けられ、市場でよく見るのは西洋系の五寸ニンジンで、東洋系の代表は赤い金時ニンジンです。
愛知県では特に五寸ニンジンの生産が盛んであり、地元の伝統野菜として八事五寸、碧南鮮紅五寸、木之山五寸という3種類のニンジンが選ばれています。
これらのニンジンは地域の食文化と密接な関連があり、各種の料理に欠かせない存在となっています。
最後までお読みいただきありがとうございました！
