コーン(トウモロコシ)は、地球上で最も広範囲に栽培されている作物の一つで、その栽培地域は米国の乾燥した南西部から、エクアドルやペルーのアンデス山脈の高地に至るまで、非常に多岐にわたります。
米国では特に肥沃な平野部で大量に生産され、これが米国を世界最大のコーン生産国にしています。
アメリカにトウモロコシが多い理由
米国では、主に「デントコーン」と呼ばれる品種が栽培されています。
このコーンは成熟すると粒にへこみができることが特徴で、その用途は家畜の飼料からコーンシロップやエタノール生産に至るまで多岐にわたります。
その他にも、直接人間の消費に供されるスイートコーンや、特定の工業用途に適した高付加価値の品種も栽培されています。
その他にも、インディアナ州やウィスコンシン州などが主要な生産地です。
世界市場でのコーン
米国はただ最大の生産国であるだけでなく、世界でも主要なコーン輸出国でもあります。
輸出されるコーンは、生産量の約20%に達し、その主な輸入国には日本、メキシコ、台湾、カナダなどがあります。
コーンの用途の広がり
コーンはその用途の広さでも知られており、主に家畜の飼料として利用されるほか、コーンスターチ、コーン油、甘味料、飲料、工業用アルコール、バイオ燃料など、食品から工業製品まで幅広く使用されています。
コーンの歴史とその根強い文化的影響
コーンの歴史は、古代メキシコのマヤ文明やアステカ文明までさかのぼります。
当時から栽培されていた野生の草から進化し、今日に至るまで多くの文化で基本的な食料として、また宗教的な象徴として用いられてきました。
ヨーロッパに伝わったのは15世紀にスペイン人によってであり、その後全世界に広まりました。
現代では、とうもろこしはその栄養価と用途の多様性から、世界中で重宝されている重要な穀物です。
トウモロコシが日本にやってきたのはいつ?
トウモロコシが日本に初めて持ち込まれたのは16世紀のことです。
1549年、キリスト教を布教する目的でフランシスコ・ザビエルが来日した際、彼とともにトウモロコシも日本の地を踏みました。
最初は観賞用だった?
初期の日本では、トウモロコシはその新奇さから主に観賞用として栽培されましたが、江戸時代に入ると、その栽培が本格化しました。
政府が土地の有効利用を促進する政策を推進した結果、トウモロコシは農業生産性を高めるために広く導入され、特に冷涼な気候の北海道や東北地方での栽培が奨励されました。
また、飢饉の際には重要な救済食としての役割を果たしました。
今日では、トウモロコシは日本で広く栽培され、食品、飼料、工業原料としての需要が高い重要な作物となっています。
夏の祭りやイベントでは、屋台で提供されるトウモロコシは特に人気があります。
アメリカは世界最大のトウモロコシ生産国
アメリカは世界最大のトウモロコシ生産国として、その生産量、輸出量、そして消費量において他国を上回ります。
2012/13年度にはアメリカが経験した厳しい干ばつがトウモロコシの大幅な不作を招き、これが世界の穀物市場に深刻な影響を与えました。
しかし、その後4年間は連続して豊作が続き、価格が安定しているため、輸入国にとっては現在良好な供給状況が続いています。
バイオエタノールの使用が推進
アメリカの内需動向もまた世界のトウモロコシ市場に影響を与えています。
2005年に成立したエネルギー政策法では、トウモロコシを原料とするバイオエタノールの使用が推進され、ガソリンとの混合が義務付けられました。
これによりトウモロコシはエタノール製造へと大量に流れるようになり、現在では飼料用とエタノール用の需要がほぼ等しくなっています。
まとめ
アメリカは、世界で最も多くのトウモロコシを生産し、輸出する国の一つです。
同国から生産されるトウモロコシの約20%が海外市場へと送られています。
また、トウモロコシの国際市場において、日本は非常に安定した大きな輸入国として位置付けられています。
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