かつて、レンコンは粘り気があり糸を引く特徴がありましたが、現代ではそのような性質を示すものが少なくなっています。
これは、以前は日本固有の品種が主流であったのに対し、今日では中国から輸入された品種が大半を占めるようになったからとも言われています。
蓮根が糸引くのは腐ってるの？
レンコンはその独特の食感を活かして様々な料理に利用されます。
シャキシャキとした食感が楽しめる料理や、煮込みや蒸し料理で柔らかい食感を楽しむ料理など、どちらの調理法もレンコンの魅力を引き出します。
この野菜は、味わいだけでなく、栄養価や健康への利点からも積極的に食事に取り入れたいものです。
レンコンの糸の正体
レンコンの切断面から見られる粘り気のある糸の正体は、新鮮さや腐敗とは無関係に、レンコンに含まれる特定の成分によるものです。
納豆やオクラ、モロヘイヤ、里芋など他の粘り気のある食品と同様に、これらの糸も食物繊維の一種であることが知られています。
レンコンを長持ちさせる方法
レンコンを長持ちさせる方法にはいくつかあります。
未洗浄の泥付きレンコンは、そのままの状態で冷蔵庫内で約15日間保存が可能です。
また、水に浸して保存する方法もあり、これにより3週間程度美味しく保つことができます。
一方、洗浄された泥なしの状態やカットされたレンコンは保存期間が短くなり、それぞれ約1週間、5日程度となります。
新鮮なレンコン、特に旬の時期前に収穫されたものは、購入後すぐに使用するのが最適です。
レンコンの起源
レンコンは、その起源については中国やエジプトから来たともされる植物で、夏季には運河や池で見ることのできる美しいハスの肥大した地下茎部分です。
仏教においては、仏が座る蓮華座としてハスが象徴的に用いられ、これらの影響は日本にも伝わり、蓮をモチーフにした装飾や仏像芸術にその痕跡を残しています。
食用としては、日本における10世紀の記録があり、奈良時代以降に中国から伝来したとされる在来種が広がっていったと考えられていますが、現在主に市場で見るレンコンは、明治時代以降に中国から導入された品種です。
この導入種は在来種よりも大きく、肉厚である一方、在来種の方が味わい深いとされています。
食用と観賞用がある？
レンコンには食用と観賞用の栽培があり、観賞用では花の色や形、花弁の数などの特徴を持つ品種が重視されます。
江戸時代には蓮の花の品種を記載した蓮譜が出版され、100種以上の品種が紹介されました。
食用レンコンは在来種と中国種に大きく分けられ、各地域で特有の在来品種が栽培されています。
在来種はスリムで茶色がかった色合いをしており、地下深くに伸びる特徴がありますが、収穫量は少なめです。
主に関東や東海地方で栽培されており、粘りが強く、切ると糸を引く性質があります。
明治時代初期は中国産が主流
中国から導入された品種は、明治時代初期から主流となり、掘りやすく病気に強いことが特徴です。
シャキシャキとした食感があり、さまざまな料理に適しています。
特に茨城県では、全国生産量の30％を占めるほど、この品種の栽培が盛んです。
戦国時代のレンコンの役割
また、戦国時代には、城の堀にハスが植えられることが多く、これは神秘的な風景を提供するだけでなく、非常食としての役割もあったとされますが、具体的な記録は残されていません。
しかし、レンコンは薬用としても価値があり、人々に安心を与える存在でした。
レンコンの穴の意味
レンコンの特徴的な穴は、植物が外界と呼吸するためのもので、その配置は太さに関係なく中心に1個、周りに9個または10個となっています。
この不思議な特徴は、レンコンが生きていく上で重要な機能を果たしています。
レンコンが糸を引くのは新鮮さとは無関係 まとめ
レンコンが粘り気を示し糸を引く現象は、オクラに見られる同様の粘り成分によるもので、鮮度とは無関係です。
また、レンコンは冷凍して保存することが可能で、その状態で約1～2ヶ月保持することができます。
この根菜は非常に美味しく、便利なため、冷凍庫にストックしておくと良いでしょう。
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