日本料理に不可欠な食材のひとつ、それが大根ですね。
日々の料理で頻繁に活用される一方で、大根を調理する際に、その部位によってどのように使い分けるか、迷う瞬間があるかもしれません。
大根の上下のどっちが煮物向き?
大根を調理する際、特に煮物として使う場合、どの部分を選ぶべきか?
大根はその使い道が多岐にわたります。
生であればサラダやおろし、加熱して煮物やおでん、蒸し大根など、選択肢は豊富です。
煮物は特に、味がしみ込みやすく、美味しくなります。
これにより、煮物には大根の下部がより適していることが分かります。
さらに、加熱することで辛味が減少するため、煮物には最適です。
しかし、大根の中央部分に注目すると、水分を豊富に含み、辛味が少なく旨味が多いことが特徴です。
煮崩れの心配も少なく、煮物で使用すると味が良く染み込み、美味しく仕上がります。
煮物やおでんに最適なのは中央部分
煮物やおでんに最適なのは、実は大根の中央部分です。
料理で最適な部位を見極めた後は、栄養価の違いについても考察してみましょう。
大根の上部と下部、どちらがより甘いか?
市場で一般的に見られるのは「青首大根」と呼ばれる種類です。
これは、葉付きの部分が青く色づいていることからその名が付けられました。
大根は時期や部位によって、辛味と甘味の強さが変わります。
では、大根のどの部分が甘いのでしょうか?
- 上部は葉に近づくほど甘味が増し、水分も多く含まれているため、生食に適しています。ただし、その柔らかさが原因で加熱時には煮崩れしやすいため、調理時間を短く保つことが推奨されます。
- 下部に進むにつれて、辛味が強くなり、水分が少なく繊維質が増すため、煮物や汁物には最適です。
基本的には、大根の上部が甘く、下部が辛いと言えます。
しかし、育成環境によっては、辛味の度合いに差が出ることもあります。
例えば、夏に育った大根は辛く、冬には甘みが増します。
これは、大根が寒さに対抗するために糖分を蓄える性質に起因します。
なお、大根おろしを作る際には、甘味を好む場合は上部の皮を剥いて、辛味を好む場合は下部を皮付きでおろすと良いでしょう。
大根の上下の栄養面の違い
大根の栄養成分や健康効果についての考察に入る前に、先ほど大根の上部と下部の味わいの違いについて触れましたが、栄養面ではどのような差が存在するのでしょうか?
大根は水分が約94%を占め、栄養価が高いことで知られています。
特に以下の栄養素が豊富に含まれています。
- ビタミンC
- 葉酸
- ビタミンB群
- パントテン酸
- ナイアシン
- ビオチン
- カリウム
- 鉄分
これらのビタミンやミネラルは、大根全体に含まれ、特に消化を促進する酵素や食物繊維も豊富です。
その中でも「グリコシダーゼ」という酵素は、消化を助け、胃腸の機能を向上させます。
消化酵素は熱に弱いため、これらの効果を最大限に引き出すためには生での摂取が推奨されます。
特に甘みのある上部を生で食べることで、胃腸の健康を促進できます。
辛み成分「イソチアネート」
さらに、大根には「イソチアネート」という辛味成分が含まれており、特に下部に多く含まれています。
この成分も熱に弱いため、生での摂取がおすすめです。
特に夏の大根はイソチアネートが多く含まれているため、辛味が強くなります。
そのため、夏に収穫された大根の下部を大根おろしにする際には、その辛さに注意が必要です。
大根の上下どちらを先に使う?
大根の甘さや辛さ、栄養成分の違いを理解した上で、保存方法についても見てみましょう。
大根を長持ちさせるためには、どの部分を先に使うべきか、適切な保管方法が重要です。
大根を丸ごと購入した際、すぐに使い切ることは難しいため、どの部分を先に使用するかが問題になります。
そのため、購入後は葉を取り除き、保存することが推奨されます。
ただし、野菜は切り口から傷みやすいため、葉を取り除いた後は上部から使用することが望ましいです。
大根の上下よりも中央が煮物向き まとめ
大根を上部から下部まで詳しく見てみると、同じ野菜でありながらも部位によって味や含まれる栄養素が異なることが明らかになりました。
美味しい大根料理を作る秘訣は、その料理に最適な部位を選ぶことにあります。
大根の各部位の特性を把握し、それを生かした料理にチャレンジしてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました!