葉物野菜の元気がなくなってしまった時に効果的なのが「50度洗い」とも呼ばれる50℃のお湯を使った洗い方です。
この方法では、萎れかけた野菜を温度がちょうど良いお湯で扱うことで、新鮮さを取り戻すことができます。
最初は少し疑念を抱きがちですが「50度洗い」には多くのメリットがあります。
ただし、この手法については誤解されやすい部分も多いため、正しいやり方をご紹介します！
50度洗いによる野菜のリフレッシュ方法
野菜を再びみずみずしい状態に戻すには、わずか３ステップを踏むだけで十分です。
特に注意すべき点は、「お湯を適切な温度に保つ」ことと「野菜をお湯から出した後に余分な水分を丁寧に拭き取る」ことです。
以下にその手順を示します。
①適切な温度のお湯を用意する
まず、お湯を冷めにくくするためにも、大きなボウルに50℃のお湯を用意します。
理想的な温度は48℃から52℃の範囲です。
お湯の温度は温度計で調べ、調整することが望ましいです。
この手間は「50度洗い」の効果を最大限に引き出すためには不可欠です。
②野菜をお湯につける
洗いたい野菜をお湯に浸して洗います。
野菜の種類や大きさにより、お湯に浸す時間は異なります。
柔らかすぎたり、水を吸いすぎてしまう場合は、時間を短く調節しましょう。
例えば、葉物野菜やスプラウト、ハーブは約30秒、茎が太い野菜は約3分が目安です。
慣れないうちは、洗う時間を短く設定して、徐々に調整していくと良いでしょう。
温度が下がり始めたら、お湯を足して50℃を維持するようにしてください。
③水分を取り除く
お湯から野菜を取り出した後は、ペーパータオルでしっかりと水気を取り除きます。
これは、水分が残っていると、元気を取り戻した野菜が再び早く傷んでしまうからです。
直ちに使わない場合は、水切りをした後、冷蔵庫での保管をおすすめします。
野菜の活性化に寄与する「50度洗い」という技術は、特に野菜の水分補給や鮮度の復活に大きなメリットがあります。
50度洗いのメリット
50度洗いで得られるメリットを以下にご紹介します。
なぜ、50度洗いをすると、ほうれん草がシャキっとするのかを見ていきましょう。
メリット①：水分補給による鮮度の再活性
収穫後の野菜は自身の水分を保持しようと気孔を閉じます。
温度が適温である50℃の温水に野菜を浸すことで、これらの気孔が開き、失われた水分を取り戻すことが可能になります。
実際に、この方法で処理した野菜は、処理していない野菜よりも数日間新鮮な状態が長持ちすることが確認されています。
メリット②：表面の不純物除去
50℃の温水は、単なる水では除去できない酸化物や汚れを野菜の表面から取り除く作用を持っています。
これにより、野菜の老化プロセスを抑制し、新鮮さを長期にわたり保持する手助けとなります。
また、通常の水洗いでは落ちにくい固執な汚れも、温水によって効率的に取り除くことができます。
メリット③：灰汁の軽減
灰汁とは、野菜や肉を茹でる際に発生する泡のようなもので、不快な味の元となります。
50度洗いは、この灰汁を含む余計な味わいを取り除き、野菜固有の美味しさをより際立たせる効果があります。
メリット④：細菌の大幅削減
50度洗いは、細菌の数を水洗いよりも90%以上削減するという研究結果があります。
この結果に基づき、佐賀県のある医療施設では、患者さんが生の野菜を安心して食べられるように、この50度洗いを病院食に取り入れるなど、衛生面でのメリットも実証されています。
ほうれん草を50度洗いするとメリットも多くなる まとめ
私自身も最近、野菜を活性化させる50度洗いを試してみたところ、萎れた葉が生き生きとして弾力を取り戻すのを実感しました。
この方法は野菜だけでなく、果物、肉、キノコにも適用可能だと聞いていますが、これらに関してはまだ試す機会がありません。
今後はそれらも試してみて、その成果をお伝えできればと思っています。
皆さんもこの50度洗いを使って、その驚くべき効果をぜひ体験してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました！
